相続税と生前贈与の税率の違いとは。わかりやすく簡単に解説!
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将来まとまったお金の必要性を感じた
大学や結婚など、子や孫にまとまったお金がかかる必要性を感じたときも、生前贈与のタイミングと言えます。生前贈与には、教育費や結婚資金などを非課税で贈与できる制度があります。非課税枠には限度がありますが、お金を使う用途がはっきりしているのであれば、該当する制度を利用した贈与を検討するとよいでしょう。
所有している不動産に収益性がある
賃貸マンションから毎月家賃収入を得ているなど、収益性のある不動産を所有している場合は、生前贈与を検討しましょう。家賃収入が積み重なると財産となり、将来相続税が大きくなる可能性が考えられるからです。
不動産のような高額な財産を生前贈与する場合は、相続時精算課税制度を利用しましょう。この制度は、贈与する財産にかかる税金を相続時に精算するものです。また、贈与する財産が2,500万円+年間110万円以下であれば、贈与税はかかりません。
例えば、評価額1,000万円の不動産を生前贈与する場合、基礎控除額よりも低いため無税で贈与できます。そして、贈与者が亡くなった時に1,000万円を相続財産に加算して相続税を計算しますが、もし、生前贈与の不動産を加算しても、課税遺産総額が相続税の基礎控除額を下回る場合の相続税はゼロ円です。
相続時精算課税制度については、別記事にて詳しくまとめてありますので、ご参考ください。
生前贈与の注意点
生前贈与を利用する際は、以下の点に注意しましょう。
・「◯◯万円を◯年かけて贈与する」などと事前に決めない
・贈与をしたら贈与計画書を作る
・名義預金は避ける
・老後の生活保障を考慮する
「◯◯万円を◯年かけて贈与する」などと事前に決めない
贈与税を利用して毎年お金を贈与する際に注意するのは、そのやり方です。例えば、「110万円を超えないように必要に応じて贈与した」のであれば問題ありませんが、「毎年100万円ずつ12年間かけて1,200万円贈与する」というふうに、最初に取り決めをした贈与には、相続税が発生します。なぜなら、それは定期贈与とみなされてしまうからです。
もし定期贈与とみなされた場合は、贈与するつもりの総額に対して贈与税が課せられます。定期贈与を避けるには、贈与する金額や時期を変えるなど定期贈与とみなされないようにすることですが、次にご紹介する「贈与契約書」を作成することも有効です。