相続税は財産額いくらまで無税?わかりやすく簡単に解説!
- 公開日:
- 更新日:
未成年者控除を適用したケース
未成年控除とは、相続人が未成年の場合に適用される制度です。
・計算式:10万円×(18歳-相続時の年齢)
例えば、母Aが亡くなり6,000万円の遺産を3人の子供(子B、子C、子D)で分割するとしましょう。この場合の相続税は120万円で、1人あたり40万円を負担することになりました。3人の子供のうち子Dは15歳の未成年者です。子Dは未成年のため未成年者控除を利用しましたが、その際の控除額は50万円。
10万円×3歳=30万円
未成年者である子Dには、相続税はかかりません。
障害者控除を適用したケース
障害者控除とは、障害を持つ85歳未満の相続者(「一般障害者」または「特別障害者」)を対象にした制度です。
・計算式:(85歳-相続した時点での年齢)×10万円(特別障害者は20万円)
例えば、9,000万円の遺産を35歳の兄と30歳の弟(障害者)で相続するとします。
この場合の相続税総額は620万円で、1人あたり310万円を納めることになりました。一般障害者である弟には、障害者控除が適用されます。
・控除額の計算:(85歳-30歳)×10万円=550万円
弟の相続税は310万円ですので、差し引きゼロ円となります。控除して余った分は、扶養義務者である兄の相続税控除に利用します。
・余った控除額:550万円-310万円=240万円
・兄の相続税額:310万円-240万円=70万円
兄の相続税も、70万円に減額されました。
無税でも相続税申告は必要?
たとえ相続税がゼロ円でも相続税申告が必要な場合があります。それは、申告を必須としている税制特例を利用した時です。相続税申告は、相続税が発生した時のみにする手続きではない点に留意しましょう。ここでは相続税申告の意味から注意点まで解説します。
相続税申告とは
相続税申告とは、相続によって生じた相続税を計算し、それを税務署に申告する制度のことです。相続税申告には期限があり、相続開始から10か月以内に、被相続人が住んでいた地域を管轄する税務署にて手続きを行う必要があります。
申請に必要な書類は以下のとおりです。
・被相続人が誕生してから亡くなるまでの全ての戸籍謄本
・被相続人の戸籍の附票
・被相続人の住民票の除票
・相続人(全員)の戸籍謄本
・相続人(全員)の住民票
・相続人(全員)の印鑑証明書
・相続人(全員)の身元を確認できる書類
・相続人(全員)のマイナンバーカード
・相続人の戸籍の附票
・遺言書または遺産分割協議書(コピー)
利用する税制特例によって追加書類が必要です。詳しくは、国税庁が公開しているこちらの資料をご参考ください。