家族信託普及協会とは
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家族信託普及協会の家族信託コーディネーターとは?
家族信託コーディネーターとは、家族信託普及協会が提供する民間資格で、家族信託コーディネーター研修(指定された動画を視聴した上で、2日間の研修に参加する)を受講すれば誰でも取得できます。
家族信託コーディネーターが行うことは、一般的な家族信託の仕組みやその他法制度の説明などが中心で、その役割はあくまでも、相談者の状況や要望をヒアリングした上で、然るべき専門家につなぐ橋渡し的な役割に留まります。
簡単にいうと、「家族信託を利用した方がよいか迷っている」「家族信託を検討しているのでまず話を聞いてみたい」といった場合に相談できる、一時対応窓口となります。
一方で、家族信託コーディネーターは、家族信託についての一般的な知見は備えてはいると考えられるものの、果たして個々の能力がどこまで担保できているかは定かではありません。また、家族信託コーディネーターは法律上、家族信託の手続きを行う際に発生する契約書の作成や登記業務等の業務を行うことはできない点にも注意が必要です。(※これらの業務は、国家資格をもつ弁護士や司法書士でなければ対応できません)
家族信託コーディネーター以外に、家族信託について相談できる専門家は?
家族信託の相談先としては、法律の専門家である司法書士や弁護士に依頼するのが一般的です。実際、家族信託コーディネーターが一時窓口として相談者の話を聞いた後、相談内容をもとに橋渡しを行う相手は、司法書士や弁護士になります。
というのも、家族信託は、安心して豊かな老後を過ごすために、財産の管理から相続に至るまでの取り決めを行う仕組みですから、最も適した家族信託を組成するには法律の専門家の観点が欠かせないからです。
また、契約書の作成業務にも高度な専門的知識がもとめられ、家族信託の中身に不動産が含まれる場合には登記手続きも必要です。これらの中には、法律により国家資格がなければ事業として行うことが禁じられている業務が含まれることから、ここでも弁護士や司法書士が登場することになります。
ちなみに、弁護士、司法書士はいずれも、厳しい試験と研修制度により基本能力が担保されている上、職務規定と倫理規定が徹底されていて、懲戒処分による資格はく奪もあり得ることから、その信頼性は非常に高く、心強い存在です。
家族信託を検討される場合は、最初の段階から信頼できる弁護士や司法書士に相談するのが最も安全で、安心できるといえます。
家族信託コーディネーターに家族信託を相談するメリット
そうはいっても、「家族信託について詳しく話を聞きたい」「相談したい」と思ったとき、日頃から銀行や税理士などといった財産管理の専門家と縁がある一部の方は別として、気軽に相談できる弁護士や司法書士が身近にいるケースは少ないはずです。そもそも、「弁護士や司法書士をどうやって探せばよいのか」と悩まれていたり、たとえ弁護士や司法書士の事務所を見つけても、「家族信託の相談を受けているのだろうか」「相談料無料と書いてあるけど本当だろうか?」、と心配される方も多いのではないでしょうか。
その点、民間資格とはいえ、家族信託コーディネーターといった立場の方が気軽に相談しやすいといった側面はあるかもしれません。家族信託コーディネーターに相談するメリットをあげるとすると、「相談の敷居が低い」ことです。専門家ではないものの、気軽にコンタクトが取れて、「家族信託について話を聞いてみたい」という相談者のニーズを一定レベルで満たしてくれる存在であるとはいえそうです。
家族信託コーディネーターに家族信託を相談するデメリット
家族信託は、活用すれば認知症への備えになるだけでなく、安心して豊かな老後を過ごすための、財産の管理から相続に至るまでの取り決めを行う仕組みです。信託内容を柔軟に設計できることから相続対策としても注目されています。
実際に家族信託を検討する際には、老後の生活保証を含めたライフプランニング、財産の管理、活用、円滑・円満な財産継承に至るまで、多角的な視点で総合的にベストな仕組みを作り上げることが成功のポイントとなります。相続税をはじめとした税対策も欠かせず、法務・税務面で深い知見をもった専門家の視点がもとめられます。
それを踏まえて、家族信託コーディネーターに相談する際の懸念点をまとめてみます。